いい ちいさな ものづくり

世界へ、エディットジャパンが証明する日本の職人技

ー 作り手

和包丁の一大産地である大阪府・堺の老舗「山脇刃物製作所」の刃に、徳島県の藍染め技術を用いた柄と鞘(さや)から作られる「藍包丁」。

切れ味のするどい仕上がり、そして藍色の美しいグラデーション。
これらは日本の職人技そのものです。

「藍包丁」を企画開発したエディットジャパンの坂元さんは、刃物と藍染という歴史ある技術を見事に組み合わせ、新しい価値を吹き込んだ魅力溢れるものづくりを発信しています。

エディットジャパンのコンセプトは、異業種の職人同士が力を合わせ、一つの製品を誕生させる“職人コラボレーション”。

坂元さんが職人の力を広める活動を始めたきっかけは、日本製品の魅力を海外に発信したいという想いからでした。

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ー ものがたり

高校時代にカナダ留学を経験し、社会人になってから電子部品の海外営業担当や外資系企業に勤めていた、坂元さん。

仕事柄、海外で生活することが多かった坂元さんは、日常生活の中で手仕事品から工業製品にいたるまで、日本製のものを見かけることがほとんどない現状に疑問を抱いていました。
日本製品の素晴らしさがまだ海外には届いていないのかも、と常々感じていたといいます。

また、長く勤めているうちに「自分のフィーリングを大切にして、好きなものにもっと携わる人生を歩みたい」という想いが年々込み上げてきたころ、奥様のご実家が経営しているハーブ農家の姿に心打たれたそう。

「ハーブと向き合う想いや姿勢がとても魅力的なのに、その想いを外になかなか発信できていない…何か自分が力になれることがあるのかもしれない」

日本製品への想い、そしてものづくりに向き合う姿が重なり、日本の職人たちの技を世界にもっと広める力になりたい、坂元さんは徐々にそう考えるようになりました。

その後、長く勤めていた会社を退社し、海外へ日本製品を広めるための新しい道を歩み始めます。

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「藍包丁」が生まれるきっかけは、坂元さんと「山脇刃物製作所」さんとの出会いからでした。

外資系企業を退職後、2015年に「エディットジャパン」を設立。
海外を視点に日本の文化をPRする活動を取り組んできました。

その活動の中で出会ったのが、「山脇刃物製作所」さんです。
あるきっかけで「山脇刃物製作所」さんの作る包丁を知り、彼らの製品に魅了され、海外発信を軸にしたマーケティングのお手伝いをしたいと提案しました。

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また、坂元さんが職人たちと関わる上で大切にしたこと、それは作っている人と同じ立場になることです。
ブランディングに携わるにあたり、まず自らが彼らの包丁をオンラインショップで売りながら、包丁について学ぶことから始めたそう。

それから包丁と向き合う日々を過ごしていたある時、一つの改善点が見えてきました。

それは、包丁の柄の部分。
包丁は時間経過と共に、柄の刃を刺している部分にすき間が生まれていき、中から腐り始めることで最終的には柄が割れてしまうことが多いとのこと。

衛生面や安全面も考えると改善しなければいけない。そう思い立った坂元さんは、柄に使用する素材を変えてみてはどうかと思いつきました。
そこで採用されたのが “ヒバ”。 “ヒバ”は従来使用されていた木材よりも腐りづらく、包丁に最適な素材でした。

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次に、衛生面の改良のために今度は柄に使用する塗料に目をつけました。
ここで塗料として着目したのが、藍染です。

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“藍”には抗菌・消臭効果があるといわれています。その機能性を生かし、雑菌が繁殖しやすい環境で使う包丁の衛生状態を保つためにその性質を活かせないかと考えたそう。

また、徳島県は日本一の“藍”の生産地として名が知られており、さらに徳島県ではもともと木工芸が盛んだったため、木を藍染するという難易度の高い技術が確立されていました。そんな徳島の職人の手により、試行錯誤が繰り返され、木の素材感を残しつつ、藍染の魅力や機能性も活かすことができる藍染のグラデーションがついに実現したのです。

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こうして職人の技術をかけあわせて生まれたのが、「藍包丁」。
全てにこだわり抜いた坂元さんと職人たちが生み出した、新しい日本製品です。

ー 想い

“職人コラボレーション”と掲げられたエディットジャパンのコンセプトには、「ひとつの製品で複数の産地にしっかり還元できるビジネスモデルをつくる」、「職人の技と技を掛け合わせることで価値を上げたい」という想いが込められています。

日本には、まだまだ掛け合わせることができるものづくりがたくさんある。このコンセプトがもっと広まれば、日本はさらに元気になると坂元さんはいいます。

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舞工房2

また、もう一つこだわっていること。それは職人の顔が見えるものづくりです。

現代まで永い年月をかけて培われてきた技術は、必要な機能性を保ちつつも、洗練されたデザインに辿り着いている。だからこそ新しい要素を加えるのではなく、今ある技術を掛け合わせることにより、これまでの歴史を築いてきた職人達の顔が見える素晴らしい製品が生まれるのだと坂元さんは考えています。

今ある日本の職人技を掛け合わせ、新しい価値を吹き込んだ魅力溢れるものづくり。
職人たちと一緒に、坂元さんは自身の道を歩み続けます。

ー作り手情報

エディットジャパン

2020年7月21日


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