プロフィール
◆タグアについて
エクアドル周辺の国の一部に自生するタグア(象牙ヤシ)の木が落とす実は、なんとも不思議。中からこぼれ出る卵ほどの種子は、乾燥させて皮をむけば、まるで象牙のような白い肌と硬さをもっているのです。
かつて、ボタン材料として使われプラスチックに追われたタグアは、微細工にたえる硬さと木目調のぬくもりのある肌、格好の彫刻素材として蘇りつつあります。
(写真5枚目)
1972 年から2年間、エルサルバドルでボランティア活動にあたり、その人々の文化と風土に魅せられる。初恋の人に贈ったのが自作のベッコウ細工。ベッコウは今となっては大変貴重なタイマイベッコウ。
幼い頃から物作りが何より好きで、中南米を旅したおりに、象牙やしに出逢うこととなる。
爾来25 年、タグアにかかわり、創作活動を続けている。
エクアドル産のタグアを現地で厳選して購入、表面を磨き上げた上で、自作の道具でタグアを彫る感触を楽しんでいる。代表作は、「冬枯立( ふゆこだち)」。磨かれた象牙の肌に、微細な部分まで慎重に彫り込んだ枝の一本一本、清麗なシルエット全体が浮き上がります。
同じようなお土産品を作れるよう、現地でこの作品を提供しました。最近になって、タグアに木を彫ったペンダントトップが日本にも少しずつ入ってきているようです。
得意のベッコウを象嵌したリャマ(アンデスに住むラクダ科の動物)、とんぼ等も、他の素材、他の作り手では成せない作品と自負しています。