プロフィール
どこかの田舎町で、«ちいさいかばんやさん mimi(みみ)»の工房長は、きょうも1つ1つ、本革かばんを手づくりしています。
工房長はわがままで、自分がかわいいと思うものしか作りません。
たとえば、手のひらサイズのバッグや小物入れです。
ちいさくてかわいいそれらは、工房長にわくわくや、ときめきをくれるのです。
そんな工房長に、ひとびとは言います。
「こんなにちいさいのにかばんなの?ポーチじゃないの?」
「これって何をいれるものなの?」
工房長はこたえます。
「なんでそんなに分類したがるんだ!」
「使いみちなどきまっていないのだ!すきにつかえ!もしくは飾れ!」
そう、工房長はわがままで、そしてちょっと面倒なひとなのです。
そんな工房長ですが、ほんとうは自分が感じるわくわくを、誰かに届けたくてしかたがありません。
だからきょうも、うきうきしながら針を進めます。
見ているだけでかわいい。使ったら、ずっと愛おしい。
そんなちいさなカバンを、きょうもあしたも、工房長はおおまじめに、ときめきながら作ります。