Crafter VOL.3の特集テーマは、「クラフト流通」です。
個展、クラフトフェア、百貨店での催事等々……。作り手が販売に立ち会う期間限定の展示会がいまや工芸品やクラフト販売の王道となった感があります。
こうした売り方は店にとっては好都合ですが、作り手にとってはどうでしょう。出張費をすべて負担して売り場に出向き、何日間も在店したうえ、売れなかった場合に最も損失をこうむるのは作り手です。
そもそも現在のように雑貨店やギャラリーが急増する以前、手仕事の生活用品は、展示会形式ではなく、各地の民芸店や都市部の百貨店などで常設販売されるのが一般的でした。
2000年代になると百貨店の勢いはなくなり、小売店が多様化してきました。ライフスタイルショップを筆頭に、ファッション、工芸、フード、植物など、さまざまな品目を組み合わせた編集提案型の店舗が東京から全国的に広がりつつあります。
時代とともに売り場が変わるのは当然のことです。しかし、昔と変わらない方法で手仕事に取り組む作り手が、市場の変化に追いついていくのは大変なことです。今回の特集では「卸販売」をキーワードに、クラフトの流通のあり方、その先に見え隠れする作り手と売り手との幸福な関係を考えてみました。
ハンドメイドビジネス誌「Crafter」VOL.1
http://www.iichi.com/listing/item/439806
ハンドメイドビジネス誌「Crafter」VOL.2
http://www.iichi.com/listing/item/439809
開店:2014/11/27