吸収の行方
- オーダーメイド対応可
下2センチ程しかない青、それはまるで草原の下に溜まる地下水のようでもあり、また「隠されている生の秘密」を求め、悉く捨象させてもなお残るもの、そんな印象をこの作品は持っている。
地面から吸収された雨は地下水となって下に溜まり、草の根がそれを吸収して再び表面へと昇る自然現象を、ミニマリスティックな手法でもって表現したのではないかと推測する一方で、単なる某大手コンビニエンスストアの看板をそのまま作品にしたようなものにも受け取れる。
その証拠に、同じタイミングで発表された“消滅の彼方”の作品も、かつて存在したコンビニの看板にそっくりだからだ。
しかもそのタイトルが、“吸収の行方”と“消滅の彼方”という事になると、明らかに3年前の吸収合併を指している事に疑いを差し挟む余地はないと見てよいだろう。
そうした観点から捉えるとするならば、一方でレディ・メイドの様相を帯びてくる。
アートとは鑑賞者側の視点や持っている知識によって、まったく異なったイメージを与えるものだという事を、実に雄弁に物語っている作品である。
2013/05/29 by.Hereagain Midisland
■品番:12120301
■FileName:WhereaboutsOfAbsorption
■タイトル:吸収の行方
■画寸:35.0×27.0cm(F5)
■厚さ:2.0cm
■支持体:パルポート(type P)
■塗料:アクリル、モデリングペースト
■ブランド:アベルト バッジョ
■サイン:右下
■制作年:2012
ショップへの感想コメント
(3)-
無事に届きました。ありがとうございました。 風景に境界線がなく、全てが薄く溶け込み繋がっている感じが好きです。 絵の裏側は、飾りやすい工夫が施されていました。 作者様の苦心や気遣いを感じました。
-
絵をみた時、アフリカをイメージしました。 最初の感想は「こんな所に飛行機が墜ちたら困るよなぁ」でした。 暗澹とした血のような空、熱く乾いた大地、そよがない緑の樹。野獣の姿は見えないけど、息を潜めて隠れていそう(サバンナのイメージです) そんな原始的な場所を描いた絵だと思いました。 この色合いと風景にはなかなか出合えません。 稀少な作品をありがとうございました。