丸底でかバッグ　たんぽぽのお花畑（夜の空バージョン）訳あり

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　このところ、ダイヤプーリアという糸にどハマり。最初に原っぱバージョンを編んで、次にたどり着いたのが、この夜の空バージョン。底の部分を編んでいたら、子どもの時に見た夜空の風景が浮かんできた。やっぱり色糸遊びは楽しい。いろんな夜が浮かんだのだけど、今の私にしっくりくるのが、幼稚園に通っていた頃の思い出だった。その思い出を話させてください。
　幼稚園の頃、県営アパートに住んでいたのですが、お風呂はついていなくて、すぐそばに銭湯があって、家族で行っていた（昭和40年代前半の話です）。当時は、父と男湯に入ったり、母と女湯に入ったり、その時の親の都合で男湯にも入ったし、女湯にも入った。男湯に入ると、幼稚園の友だちの男の子が必ずいて、「お前、女のくせに男湯に入ってなんなんだ？」とからかわれたりもするのだけど、そういうのは全然平気だった。お金に余裕があると、脱衣所で売っているコーヒー牛乳を買ってもらえて、脱衣所にある大きな扇風機の前で、涼みながらコーヒー牛乳を飲んで、幸せ気分になった。その頃から安上がりな人間だったんだろうか？（子どもの頃、じゃがいもとか、鳥の胸肉とか、きゅうりとかが好きで、母から、お金がかからない安上がりな子どもだとよく言われたのです）
　そして銭湯からの帰り道、夜空を見上げると、星が煌めいていた。父と男湯に入って、帰り道に、星空を見て、子どもの私には、星が、自分が歩くと、星が自分を追いかけてくるように感じられて、父に「あの星たち、私のことが好きなんだよ。だって私が歩くと、私にくっついてくるもの」と言うと、「お前は面白い考え方をするなぁ」と父に言われたのだけど、その時の父はまんざらでもないような嬉しそうな顔をして答えていたのを覚えている。子どもの頃の父との思い出で、一番記憶に残っている幸せな思い出なのです。思春期の頃は、父と衝突してばかりだったけど、小さな子どもの頃は、よく父と散歩をしたり、探検をしていて、父に教わったこともたくさんある。ただ、父は最終職が、県の教育委員長で、教育者としては優秀だったのかもしれないけど、家庭の父親としてはどうしようもない人だった。父に対しては本当にいろんな思いがあって、正直、父が亡くなるまで、父をゆるせないでいた。けれど、満州からの引き揚げ者である父のことを童話に書いて、満州のことを調べて、妹と二人っきりで、引き揚げてくるだけで精一杯だった父の姿が見えてきて、父がなぜ自分の娘のことより、自分自身の体裁を守ることしかできない人だったのか、なぜ人を信用しない人だったのかが、理解できて、父に対するわだかまりも消えて、今では父のことも懐かしく思えるようになった。父のことをゆるすことはないだろうと思っていたけど、ちゃんとゆるすチャンスを神様は与えてくださったのだなぁ。不器用な父と不器用な娘の、子どもの頃の幸せな思い出。父との記憶で一番最初にある幸せな原風景が、この夜空の風景です。なんのことはない親子の会話だけど、その時の夜空の星が、とても綺麗で、ポツンポツンと光りながら輝いていたのを思い出す。
　イメージとしては、夏の夜に、甚平を着た父と浴衣姿の子どもが、星空を見上げながら、石鹸と洗いおけと、タオルを持って銭湯からの帰り道に、幸せそうに話しているそんな風景。自分で書いて思うのもなんだけど、本当に幸せな風景だなぁと。今になってみると、父のことも優しい気持ちで思い出すことができる。人をゆるすというチャンスは、きっと誰にでも必ず来るのだと思う。私には、他にも何人かゆるせないでいる人がいるのだけれど、いつかはゆるすんだろうなぁと思える。父との幼い頃の思い出がそう教えてくれた。無理やりゆるそうとしなくてもちゃんと時は用意されている。いつかゆるせる日が来ると思って生きていけばいいのだなぁと思う。「それでいい」と。なんとなく肩の力が抜けた気分。気分が良くなった時のお約束は、やっぱり、「ここにたんぽぽを咲かせたい！」です。そう、たんぽぽの登場です。でも、実は夜のたんぽぽを見たことがないので、葉っぱの明度や、夜露のイメージとか想像でデザインしたのですが、編んでみたら、なんだか、星のきらめく夜空の下、いい風にそよいでいるそんなたんぽぽたちの風景になった。満足です。ただ、ムチャクチャ編みにくかった。
　今回、出来るだけリアルなたんぽぽを編み込みたかったのです。でも、ニットの編み込みなので、限界がある。それでも、葉っぱの部分に４種類の糸を使い、糸を二本どりにして、また、夜露の乗っかっている葉っぱのイメージでラメ入りの糸を使ったり、工夫しました。出来上がった編み地を写メで友人に見せたら「リアルたんぽぽだね」と言われ、「ウフッ」と。ただ、材料費がものすごく高くなってしまって、それでもかなり頑張っての価格設定です。申し訳ないです。また、裏地の青色のマーキングが消えていない部分があって、少しお安くしました（ポッケの部分です。写真を参考になさってください。一つはロゴの取り付けてあるポッケの右端部分。もう一つはそのポッケとは反対側のポケットの上端部分。）。気になる方はご購入をお控えください。
　ベースは、ダイヤプーリアのブルーパープル系の糸を使用。葉っぱは、パロール（廃番）の二本どりと、ダイヤタンゴの二本どり、ダイヤプーリア のグリーン系の二本どり、スキーウォシャブルUVで。花の部分をザンビアプリント（廃番）の二本どりと、スキーウォシャブルUVで。ほぼほぼ二本どりなので、糸代が倍かかっています。持ち手は、カフカリボン 。ラッキーチャームのてんとう虫が入った柄（このベースがグリーン系のカフカリボンは、これが最後の在庫になると思います。レア物です。）60mmのリネンテープ で補強しています。リネンテープ も値上がりしています。裏地は、リバティプリントのエルマー。バッグの形を整えるために硬めの接着芯を使っていてハリがあります。だいたいイメージ通りの仕上がりになったのですが、ダイヤプーリアという糸が、てろんとした糸なので、編み地が、何かに引っかかって糸が毛羽立った感じになる可能性があり、また、無理な編み方をしているので、編み地から何かに引っかかって糸が飛び出てくる可能性があります。かぎ針で中に引き込んでいただければいいのですが、気になる方はご購入をお控えください。ポッケは大きめなポッケを二つです。相変わらずミシンとお裁縫が苦手な私の腕と、高い材料費を考慮した価格設定です。また、バッグ本体と裏地は、手縫いで縫い合わせています。万が一、解けてしまった場合、お客さまの方で縫い合わせ可能だと思いますが、送料はいただきますが、当方での縫い合わせは無料です。また、メンテナンスには可能な限り対応いたしますので、何かございましたら遠慮なくご連絡ください。ただし、故意によるものには対応できません。ご容赦ください。もらってくださる方がいなかったら自分で使おうと思い作った究極の自分仕様の丸底でかバッグです。お気に入りの作品に仕上がりました。
　また、以前記載したと思いますが、私はよくいろんな方から「編み物を教えてください」と言われるのですが、体力がない上に、ニット以外にもしていることがあり、応じるのが無理なのでお断りしています。その代わり、ネットにアップした作品に使用した糸の種類は出来るだけ詳しく記載しています。とは言っても、あまり詳しく書くと勉強にならないので、糸の種類だけ記載して、あとは調べてくださいという感じです。ある程度ニットをやっている方なら、調べればわかるという範囲内です。編み込み好きが増えるといいなぁと思いながら記載しています。

《使用糸》 ダイヤプーリア　アクリル56％　ポリエステル28％　レーヨン16％
　　　　 　パロール（廃番）　コットン56％　レーヨン44％
　　　　 　ダイヤタンゴ　コットン45％　アクリル50％　キュプラ3％　ポリエステル2％
　　　　 　スキーウォシャブルUV コットン50％　アクリル50％
　　　　 　ザンビアプリント （廃番） ピュアオーガニックコットン100％
《裏地》 リバティプリント（タナローン ）コットン100％
《持ち手》 カフカリボン ドイツ製
リネンテープ リネン100％　ドイツ製