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中にエアクッションを詰めて撮影しています。
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内側を撮影しています。 ○サイズについて 縦(ファスナーから底まで)約15cm、横(ファスナー部)約21cmです。 <平置きで計測しています>
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丸底の直径は約12cmです。
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お化粧道具やピルケース、スマホなどを入れることができるサイズ感です。
ポーチ ハクモクレン・人を優しく包む花
お知らせ
・2024年12月と、2025年1月の新作のアップをお休みさせていただきます。
また、作品の販売は、2024年11月15日~2025年1月31日までお休みさせていただきます。
・気ままに自由に一つ一つ編んでおりますのでオーダーは受けておりません。
・新作は毎月1日の午前0時にアップします。
・ご注文をいただいた時や作品の感想などをお寄せいただいた時などのお返事はその日のうちにお送りするようにしておりますが、平日の場合、夜遅めになることがございます。あしからずご了承くださいませ。
・すべて手作業…
ハクモクレンの花は、私にとって懐かしい花です。実家のウエルカムツリーでした。小学校一年生の冬休みに、それまで住んでいたアパートから、一戸建ての今の実家に引っ越し、その一年後だったか二年後に、父はモクレン(紫木蓮)と、ハクモクレンを庭に植えました。モクレン(紫木蓮)は、うまく育たず枯れてしまい、ハクモクレンだけが残り、手入れが良かったのか、大きく育ち、春先に、綺麗な、白い花を咲かせるようになりました。父が剪定をしていたのですが、高さがあまり高くならないよう、木が2.5メートルくらいの高さになるよう剪定し、キノコの傘のように、花が横に丸く広がるように手入れしていました。ちょうど玄関の手前横にハクモクレンが植えてあり、学校から帰ってくる私をまず迎えてくれるのが、ハクモクレンでした。夏には、カミキリムシの成虫と出会える、昆虫の好きな私にとっては、ラッキーな木でもありました(ハクモクレンからしたらいい迷惑でしょうが)。やがて、大学で実家を離れ、東京で暮らすようになっても、帰省のたびにまず出迎えてくれるのは、ハクモクレンでした。でも、2002年に父が脳梗塞で倒れ、左半身不随になった時に、父は、自分ではもう剪定ができないからと、植木屋さんに頼んで、バッサリ、ハクモクレンを切り倒したのです。別に難しい手入れではないから、植木屋さんに、毎年剪定をお願いすればいいだけのことなのに・・・なぜかバッサリと切り倒して。
切ってしまう前に、母が、記念にと、ハクモクレンが満開の時に写真を撮り、私に送ってくれたのですが、「寂しいなぁ」と思いました。その後、2019年1月に父が亡くなり、父の残した遺言をもとに、満州での父のことを童話に書いたのですが、父がいつも「アカシアの花の天ぷらがうまかった」と言っていたことにちなみ、「アカシアの花」を童話のキーワードにして、「アカシアの花」の絵を描くために、千葉の私の家の周囲を探し回ったら、意外といろんなところで「アカシアの花」が咲いていたのです。ここでいうアカシアは、正確にいうとニセアカシアで、本当のアカシアはミモザなのですが。そして奇遇にも、千葉の我が家のウエルカムツリーはミモザなのですが。アカシア(ニセアカシア)は、沖縄から、北海道にかけてほぼどこでも咲いているし、アカシア(正確にいうとニセアカシアですが)のはちみつは、どこでも取れます。でも、私が子どもの頃、父が「アカシアの花の天ぷらがうまかった」と言うたびに、私と弟が「アカシアの花の天ぷらが食べたい」と父にお願いすると「この辺ではアカシアの花は咲いていない」と父は言っていたのです。
「アカシアの花」の絵を描くために、千葉の自宅の近所で「アカシアの花」を見つけた時、花の形状は違うのに「あれ?ハクモクレンみたい」と私は思いました。柔らかな花の感覚と、木の佇まいが、似ていると思ったのです。人の心を優しく包み込むようなそんな感じを受けたのです。その時、私の心の中で、「もしかしたら父はハクモクレンにアカシアの花を見ていたのでは?本当に植えたかったのはアカシアの花の木ではなかったのか?満州に住んでいた頃、アカシアの他にハクモクレンも咲いていて、アカシアを直接、植えるのはいろいろ思い出して辛いから代わりにハクモクレンを植えたのでは?」という思いが湧いてきました。そこで、ハクモクレンが現在の中国東北部(旧満州)で咲いているか調べたら、ネットでは咲いているという情報は得られませんでした。「思い違いかなぁ?」と思ったのですが、何かあるだろうと。
父にとって、「アカシアの花」は幸せの象徴でした。「アカシアの花の天ぷら」の話をする時の父の顔は穏やかで、目を細めて懐かしそうに本当に嬉しそうに、笑顔を浮かべて話していました。家族みんなで「アカシアの花の天ぷら」を食べたことは、父にとって、満州がまだ平和だった頃の何よりも楽しい思い出だったのでしょう。
大好きなお父さん、大好きなお母さん、そして大事な妹二人と一緒に囲んだ貧しいけどささやかな幸せに満ちた食卓・・・。
よく戦争のトラウマの話が、新聞などで、記事になっていることがありますが、満州からの引き揚げ体験をした父もやはりトラウマを持っていました。同じ開拓団の人たちが、青酸カリを飲んで自決していくその苦しい死に様、発疹チフスによる妹の死、知り合いの娘さんが、ソ連兵にレイプされ自死した姿、最愛の母の、発疹チフスによる死、引き揚げ途中で、自分の友だちが中国の人にもらわれていく姿・・・。それらの出来事は、11歳の父の心の中で未消化のまま残り、大人になってから、猛烈な衝動による怒りとなって現れたのです。時々、「なんでこんなことぐらいで怒るのだろう?」と不思議に思うようなことで、父は怒り狂い怒鳴っていました。家族としては、いつ父の雷が落ちるのか、ヒヤヒヤしたものです。そして、父のトラウマは子どもである私や弟にも引き継がれました。弟がどう処理しているのかは知りませんが、私は、何か腑に落ちなくて、未消化な思いが心に残ると、ムカムカして吐き気がするのです。私の場合は、手芸という楽しみがあるので、ニットをするとか、刺しゅうをするなど逃げ道を覚えたので、それで済ませることができるようになったのですが、戦争のトラウマは、その子孫にも受け継がれていくのです。だからなおさら、子どもたちに「自分と人を大事にして、自分の頭で物を考え、平和を愛する子どもに育ってほしい」と願うのです。戦争の傷跡を子どもたちに残したくないと。
ハクモクレンの話から、戦争の話になってしまいましたが、多分、父にとってハクモクレンも「アカシアの花」と同じように、幸せの象徴だったのだろうと思います。そして、脳梗塞で左半身不随になったことへの、誰に向ければいいのかわからない怒りをハクモクレンにぶつけたのだろうと。そんな父の怒りさえも優しく受け止めて、バッサリ切られて、切り株だけを残したハクモクレンの木。「私に八つ当たりすればいいよ。気がすむまで八つ当たりすればいい」と言って切り倒されたハクモクレン。切り倒された時は痛かっただろうに・・・。無言のまま切り倒されて・・・。本当に優しい花だなぁと思います。
父が亡くなってから、満州のことを調べて、戦争関連の本を大量に読んで、私自身、ムカムカして吐き気がする衝動にかられました。「もう嫌だ!こんな辛い記録読みたくない!」と。「だったらやめればいい」という話ですが、「ここはやり遂げなければいけないだろう」と思いなんとか仕上げた結果、浮かんだのは、「子どもたちが自分の頭で物を考えるように、自分と人を大切にするように、平和を愛するように」と願っていた父の姿でした。その願いは、時々訳のわからない怒りの衝動に身を任せていた父にとって、制御不能の怒りの中から選び取った、救いの、そして希望の願いであると同時に、戦争を知らない、残された私たち以降の世代の人たちが本当に真剣に取り組まなくてはならない課題だと思います。
結局、父の満州の記録をもとに書いたお話は、いろいろあった結果、何度か書き直し、ダイジェスト版を書き、今年の、故郷のコンクールに出して区切りをつけることにしましたが、どうなるか?私の本業は、「ニット・刺しゅう小物作家さん」だと自分では思っているので、そこを外してまではしたくないなぁと。そうなると、もう神様任せなので、神様に決めていただこうと。なんでもそうだと思うのです。結局は神様が決めること。その方が自分も楽だし・・・。ただ、神様が決めることだから、何をするにしても、自分を誤魔化さずに、誠意を持って真剣に取り組まなくてはいけないし、嘘はいけないと思いながら、ニットも童話書きもしているつもりです。
私の作品を見て、記事を読まれた方が、ハクモクレンを目にした時に、平和を願ってほしいと思い製作しました。
ポーチのベースは、フォッシュ。柔らかな光沢のある糸です。編み込み部分には、コットンコナ と、スキーウォッシャブルUVと野呂英作の「つむぎ」を使用しました。裏地は、レインドロップスの柄。お手軽価格のコットンの生地です。相変わらずお裁縫が苦手な私の腕を考慮し、また、材料費の物価高騰による価格設定です。ハクモクレンの優しさを表現したつもりです。丸底なので思っている以上に物が入ります。お気に入りの作品に仕上がりました。和装にも似合いそうです。ちょっとそこまでにも良さげです。
《使用糸》 フォッシュ コットン40% レーヨン40% リネン20%
コットンコナ コットン100%
スキーウォッシャブルUV コットン50% アクリル50%
野呂英作「つむぎ」コットン50% レーヨン30% シルク20%
《裏地》 コットン100% 国産
《ファスナー》YKK 国産
発送方法
送料 | 追跡 | 補償 | ||
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[10/1からの新料金]レターパックプラス | ¥600 | ◯ | - | ¥0 |
発送までの目安
8日
・一度に複数の作品をお買い上げいただいた時は、追加送料はサービスさせていただきます。その場合、全体の大きさに合わせてゆうパックでお届けいたします。
ご購入の際の注意点
・すべて手作業のため、編み地が不揃いになったりします。ご容赦ください。
・作品が初期の不良品であった場合を除き、お客様のご都合による返品、交換はご遠慮いただきますようお願い申し上げます。
・ギフトラッピングはお受けしておりませんが、簡単なラッピングをしてお届けします。
・通常は、金曜日までにご入金を確認しましたら、発送準備を土曜日に行い、その翌日の日曜日に発送いたします。そのため、土曜日に確認した場合、発送までに1週間のお時間を頂戴いたします。よろしくお願いします。
・一度に複数の作品をお買い上げいただいた時は、追加送料はサービスさせていただきます。その場合、全体の大きさに合わせてゆうパックでお届けいたします。
ショップへの感想コメント
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温かいメッセージとともに素敵なストールが届きました。ほっこりと過ごす時のお供にしたいと思っています。 この度はお世話になり、ありがとうございました。
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by CHIE
とてもとても素敵なバックでした。 バックだけでなく、贈るという優しい心もいただきました。 大事に大事に使います。 またの機会を是非とも必ずと思ってます。
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温かみがある素敵な作品で御座います♪メンテナンスも万全なようなので安心して愛用致します。お心遣いにも感謝で御座います。ありがとう御座いました♪♪
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by kotokoto
本日受け取りました。 画像よりもやはり手に取ってみると、本当に細部まで凝っているのがわかります。これから秋になり、沢山の出番があると思います。大切に使わせて頂きます。いつも素敵なバッグとラッピングをありがとうございます。