ペタンコでかバッグ　子ぎつねキーちゃんを救出しに行くシークレットガーデンの子ぎつねたち

　２月生まれの子ぎつねたちのお誕生会の余興で、「シークレットガーデン」では、あるじが、子ぎつねたちに、新美南吉の「てぶくろをかいに」のお話を読み聞かせていました。子ぎつねたちは、みんなワクワクです。何度読んでもらっても嬉しいのです。「お母さんは、人間は恐ろしいものだっておっしゃったが、ちっとも恐ろしくないや。だって、僕の手を見ても、どうもしなかったもの」とあるじが絵本を読んでいると、「そうだよね」と、子ぎつねたちがみんなでうなずきます。「あるじが、いつも言ってるよね。自分を信じて、相手を信じて、精一杯誠意を込めて話したらちゃんとわかってくれるってっていうのと同じことだよね」と子ぎつねたち。
　そこへ、兄さんぎつねのツンちゃんがバタバタっと騒がしく音を立てて「子ぎつねのキーちゃんが、人間の子ども三人組に捕まってイタズラされてる！」と駆け込んできました。あるじが子ぎつねたちに「みんなでキーちゃんを助けに行ってきて。そして、人間のいじめっ子たちに、どうしてキーちゃんにイタズラするのか理由を聞いておいで」と言うと、総勢60匹の子ぎつねたちは、「じゃ行ってくる！」と。あるじが「キーちゃんが疲れているだろうから、キーちゃんの好物のカルピスを持って行って。それと今日のお誕生会のご馳走は、あるじの旦那さまの作るハンバーグだからね」と言って、兄さんぎつねのツンちゃんにカルピスのペットボトルを渡しました。　　
　「どっ、どっ、どっ」子ぎつねたちは、兄さんぎつねのツンちゃんを先頭に、町のはずれの公園へ向かいます。その頃、公園では、子ぎつねのキーちゃんが、悪ガキ三人組に、散々いじくりまわされていたのですが、いつも、シークレットガーデンのあるじに「何があっても抵抗しないでね」と言われているので、悪ガキたちのなすがままにされていました。最初は面白がってキーちゃんにイタズラしていた人間の子どもたちも、キーちゃんの様子に「もうやめようぜ。この子ぎつね、弱ってきたよ。どうする？」と、心配そうに言いあっていたところへ、兄さんぎつねのツンちゃんを先頭に60匹の子ぎつねたちが到着です。兄さんぎつねのツンちゃんは「その子を返してください」と、人間の子どもに言うと、「とっとと持って帰れ！」キーちゃんをツンちゃんに手渡しました。ツンちゃんは、「キーちゃん、疲れたろう。カルピスを飲んで休んで」と、キーちゃんにカルピスのペットボトルを渡します。兄さんぎつねのツンちゃんは臆することなく誠意を持って人間の子どもに「どうしてキーちゃんに悪さをしたのですか？」と尋ねると「むしゃくしゃしたからさ」子ども三人組はバツが悪そうに答えます。「何か不満なことでもあるのですか？」と、ツンちゃんが尋ねると、「俺たち三人とも、親が共働きで、帰りが遅くて、おやつもご飯も、スナック菓子と、レトルトのハンバーグや、カップ麺や、冷食や、惣菜屋の弁当ばかりで一人でご飯を食べているから、それでさみしくて、イライラしてむしゃくしゃして、幸せそうな子ぎつねに悪さをして気晴らししようっていうことになったんだ」と、人間の子どもたちは正直に話しました。ツンちゃんは、「もしよかったら、僕たちと一緒に『シークレットガーデン』に来ませんか？今日は２月生まれの子ぎつねのお誕生会で、『シークレットガーデン』のあるじの旦那さまが、手作りハンバーグをご馳走に作っているのです」そう言うと、人間の子どもたちは「俺たちも行っていいの？人間だぜ」と尋ねると、ツンちゃんは「『シークレットガーデン』は、誰でも来ていいのです。ハンバーグもたくさん作っていますから、あなたたちの分も十分あります」と答えます。悪ガキ三人組は「じゃ、俺たちも一緒に行かせてくれ。子ぎつねに悪さしてごめん」と素直に謝りました。ツンちゃんは、いつだったかあるじが言っていたことを思い出しました。「いじめってね、いじめる方に傷がある場合が多いんだよ。その傷を癒してあげると、いじめっ子は素直ないい子になるんだよ。根っから悪い子なんて一人もいないんだよ」ツンちゃんは「あるじの言った通りだ」そう思い、人間の子ども三人組と、子ぎつね60匹と、「どっ、どっ、どっ」と、シークレットガーデンに向かいます。
　あるじは、なんでもお見通し。悪ガキ三人組も一緒に来るとわかっていました。戻ってきた子ぎつねたちと人間の子どもに、「おや、帰ってきたね。そろそろハンバーグが出来上がるから、食卓の準備をみんなでしてね」と言って、人間の子ども三人組には「さみしくなったらいつでもおいで。ここは、誰が来てもいいんだよ。ご飯もちゃんと作ってあげるから。おやつも、みんなで楽しく食べてね」と伝えると、「俺っちの母ちゃんも下手でいいから手作りのご飯を作ってくれないかなぁ？」と、少し涙目です。「まあ、今の世の中、お金の方がご飯より大事って言う人が多いから。もしよかったら、あるじかあるじの旦那さまが君たちに料理を教えてあげるから、君たちが自分でご飯を作ってお母さんやお父さんに食べてもらえば？」と提案すると、「えっ、いいんですか？」と子どもたち。早速次の日から『シークレットガーデン』に来ることになって、今日はみんなで、あるじの旦那さまの作ったハンバーグと、千切りのキャベツを自家製ドレッシングで。そしてあるじ特製の油揚げ入りのお味噌汁とおいなりさんで、簡素ですが、愛情たっぷりの誕生パーティーです。みんな心もお腹も一杯になって、少しお休みして、散々遊んで、みんなでお片づけをしてパーティーはお開きに。みんなが何かを学んだ１日が終わります。人間の子どもたち三人組は、「明日からよろしくお願いします」と言って帰って行きましたとさ。おしまい。
あぁ、また自己満足なお話を作ってしまった。申し訳ない。
　このバッグは子ぎつねキーちゃんを助けに行く子ぎつねたち60匹を編み込んだペタンコでかバッグです。グリーンベースのモヘアの入った段染め糸のダイヤドミナを見た時、きつねが浮かんで最初にポーチを試し編みして、その後、構想を練りながら編んだバッグです。編み終えてから、目地直しをしようと思ったのですが、しない方が、きつねたちの個性が出ると思い、しませんでした。ですので、編み地は不揃いです。気になる方はご購入をお控えください。裏地は、きつねと仲間たちの動物柄。お手頃価格の生地です。持ち手は動物つながりでコマドリ柄のカフカリボン 。60mmのリネンテープ で補強しています。ベースのダイヤドミナは40％offで購入したので、それで計算しました。ミシンとお裁縫が苦手な私の腕も考慮した価格です。持ち手のカフカリボン は、くしゃくしゃになって交換したいというのであれば交換可能です。3,500円ほどです。リボンの在庫がない場合はお取り換えはできません。また、バッグ本体と裏地は、手縫いで縫い合わせています。万が一、解けてしまった場合、お客さもの方で縫い合わせ可能だと思いますが、送料はいただきますが、当方での縫い合わせは無料です。また、メンテナンスには可能な限り対応いたしますので、何かございましたら遠慮なくご連絡ください。ただし、故意によるものには対応できません。ご容赦ください。お気に入りの作品に仕上がりました。

《使用糸》 ダイヤドミナ　ウール50％　モヘア21％　ナイロン29％
　　　　　シェットランド（英国羊毛100％使用）　ウール100％
《裏地》 コットン100％　国産　
《持ち手》 カフカリボン ドイツ製
　　　　　リネンテープ リネン100％　ドイツ製