丸底バッグ　月明かりに照らされて光るスカビオサ

　ある日曜日のこと。近所のデパートをウロウロし、その中に入っているホビーラホビーレへ。毎月10日に発行されるフリーペーパーをいただいてから、リバティをガサゴソしていたら、トレスコという名のタナローンを発見（リバティには全て名前がついています）。三色展開の生地の中でデニム生地のようなベースの色のトレスコを見ていたら、スカビオサが見えてきました。生地からのインスピレーションです。とりあえず1.５m購入。生地を見ているとまるで、月明かりの静かな光の下で健気に花開いているスカビオサの群れのよう。スカビオサは、太陽の強い光に照らされて咲く姿より、闇夜の静かな月明かりの下で咲いているのが似合います（私の勝手な想像です）。「たとえ花開くスカビオサを見ていたのが月だけだったとしても、月は、確かに、生きる喜びに身を震わせながら咲いていたスカビオサを忘れないだろう」。そう、私がいつも表現したいのは、どんな生命にも宿る生きる喜び。今回もお伝えすることができるだろうか？そう思いながら「よし、スカビオサのバッグを作ろう！」と。
　プロジェクトペーパーにスカビオサの花を描き、色糸を選んでいきます。出来るだけ、スカビオサの花の色を忠実に再現したいと思い、花の部分だけで、４種類の色糸を選びました。闇夜に光る姿を表現したくて、ラメの入った糸も選びました。葉っぱも、自然に近いものをと、襲（廃番）を選び、差し色で、マゼンダ色の小花も編み込んでとデザインが浮かんできます。ベースは濃紺の糸が良いと糸見本帳を探したら、ピマデニムを発見。糸屋さんに注文。持ち手はお花つながりで、デージー柄のカフカリボン と40mmのリネンテープ にしてとイメージはつかんだので、糸が届いてから、早速ポーチを編んで、色の出方を確認。いい感じ。バッグは、丸底とペタンコと２種類作ることに。丸底バッグは、A4サイズの書類が入る円周60cmで作ろうと。このサイズは、よくお客様からのご要望が多いサイズです。私自身、このサイズのものは、近所のスーパーに行く時に使っています。目数を計算し編みました。編み地を整えながらアイロンをあて、リバティを裁断し接着芯を貼り、苦手なミシンをダダダとかけて。あとはチクチク手縫いです。痛めた右肩と右腕が、表地と裏地をつなぐために動かすとズキズキして「あ〜ぁ」と痛みをこらえながら針仕事。痛みで縫い目もガタガタです。「これでは、あまり高いお値段では出せないなぁ」と思いながら仕上げました。でもイメージ通りの仕上がりです。ミシンと裁縫の苦手な私の腕と、材料費がかなりかかっているのでこのお値段でのご提供です。
　ポッケは2つ。持ち手のカフカリボン がクシャクシャになって、新しいものと交換してほしいとのことであれば、有料になりますが、交換可能です。カフカリボン も、リネンテープ も、ちょっと高いです。合計3,000円（税込）ほどです。それに送料をご負担いただきます。但し、カフカリボン の在庫がない場合がございます。その場合は交換できません。ご了承ください。丸底なので、思っている以上にたくさん荷物が入ります。バッグ本体と裏地は手縫いで縫い合わせています。気をつけて縫っておりますが、使用頻度が高いと、縫い合わせた糸が解けてくる場合がございます。お客様の方で、縫い合わせ可能と思いますが、送料はいただきますが、縫い合わせは無料にて承ります。また、メンテナンスには可能な限り対応いたしますので、何かございましたら遠慮なくご連絡ください。ただし、故意によるものには対応できません。ご容赦ください。ベースの色とスカビオサが神秘的で、エレガントな感じに仕上がりました。

《使用糸》 ピマデニム　綿100％　
　　　　　コットンコナ　綿100％　
　　　　　襲(廃番）絹100％　
　　　　　スビンゴールド 綿100％　
　　　　　ダイヤタンゴ　綿45％　アクリル50%　キュプラ3％　ポリエステル2％
《裏地》 リバティプリント（タナローン ）綿100％　
《持ち手》 カフカリボン ドイツ製
　　　　　リネンテープ リネン100％　ドイツ製