ポーチ　むらさき花だいこんとさくら草（平和への願いを込めて・夏糸バージョン）

　菜の花と同じアブラナ科の、むらさき花だいこん。正式には、ハナダイコン、諸葛菜、紫花菜などとか言うらしい。ネットで調べたら、江戸時代には中国から日本に入って来ていたみたい。外来種です。
　私が、むらさき花だいこんを知ったのは、大学で東京に出て来てから。多分私の故郷にも咲いていたのだろうけど、気がつかなかったのか？初めて見た時「綺麗！」と思わずつぶやきました。その時付き合っていたボーイフレンド（が今の主人です）が、「むらさき花だいこんは、日中戦争の時に、日本の兵士が中国から種を持って帰って、植えたのだ」と言っていました。「ふうん」と思っていたら、1999年に「むらさき花だいこん」という絵本が出版されて、即購入。もう絶版になったかなぁとネットで調べたらまだ入手できるみたい。そのあとがきを読むと、日中戦争の頃に、薬学者の、山口誠太郎さんという人が、南京から種を持ち帰り、「紫金草」と名付けて、日本に広めたそうな。誠太郎さん亡き後は、ご子息の裕さんが、「平和の花だいこんの会」という会を作り、むらさき花だいこんの種を百数十万袋も各地に配ったそうな。日中友好のために、平和を願う人々によって、むらさき花だいこんは、全国に広まったとのこと。ピースフラワーとも言われているらしい。むらさき花だいこんは、生命力が強いから、繁殖して、いろんなところで咲いているけど、平和を願って種が蒔かれたと思うと、感慨深いものがあります。戦争のない、平和な世界になればいいのにと思っても、地球のどこかで、戦争は起きている。せめて、平和への願いを花に託して花を見ている時だけでもいいから、地球の平和を願いたい。そう思って、このポーチを製作しました。
　むらさき花だいこんだけでは色のバランスが悪いので、さくら草も編み込んでいます（バッグを製作するためのサンプル品です）。2023年1月に冬糸バージョンで、むらさき花だいこんとさくら草のポーチを出品しましたが、今回は夏糸バージョンです。ベースは、リッチモア のコロール・ガウディ（イタリア製）。ラメが糸の中に入っていて、輝くように人を楽しませてくれる青空を表現するのにピッタリ。そう、心はもう春です。むらさき花だいこんもさくら草も、青空がよく似合います。花の部分は、かなり多種類の糸を少しずつ使用。裏地は某手芸通販雑誌のポイントで購入した綿100％の布です。野の花の柄で、ポーチの編み地を引き立ててくれます。サンプル品ということと、小さめなポーチなこと、そして、お裁縫が苦手な私の腕も考慮しての価格です。お気に入りの作品に仕上がりました。むらさき花だいこんを見たら、平和を願って欲しいという思いを込めています。

中にエアクッションを詰めて撮影しています。

《使用糸》 コロール・ガウディ（イタリア製）　リネン50％、ナイロン27％、絹23％
　　　　　スビンゴールド　綿100％　
　　　　　コットンコナ 綿100％　
　　　　　カブレ2005 綿100％　
　　　　　アプリコ （廃盤色）綿100％　
《裏地》 国産　綿100％
《ファスナー》YKK 国産