巾着　夜明け前　ver.２（朝を待つシークレットガーデンの動物たち）

　近所のショッピングモールに入っている、「手芸センタードリーム」の毛糸売り場で、しばし二つの糸に見入っていました。二つともロングピッチの段染めの「ORION」という糸です。ベージュからブルーの段染めと、レッド系の段染めこの二つを見つめているうちに一つの風景が浮かんできました。夜明け前の、地平線がほのかに赤みを帯びて、あと少しで朝が来るよ、今日1日が始まるよ、という地球のサイン。夜明け前の風景。「いいかも？」と思い、この二つの糸を選び、買い物かごに入れ、生地売り場へ。森の中に佇む動物たちの生地を発見。まるで、私の庭、シークレットガーデン（その中に森もあり）の、夜明け前の動物たちが朝を迎える準備をしているような生地。鹿さんは、「今日は奈良公園で、朝ごはんに鹿せんべいを頂こうかしら。でも、コロナで、観光客が減って、鹿せんべいがもらえないのよね。いいわ、シークレットガーデンのあるじにもらおう」と、シークレットガーデンの中にある、ドラえもんの「どこでもドア」で、奈良公園に行くのをやめた模様。キツネさんは、「どこでもドア」を使って「北海道に行って、キタキツネさんに会いに行こう」と考えている様子。リスさんは、リスのタロウくんのプロポーズがうまくいったか心配している模様。フクロウさんは、「さあて、パトロールは終わった。もう寝よう」とウトウト。ウサギさんは、朝ごはんのニンジンの調理方法を考えている様子。シークレットガーデンの動物たちのストーリーが浮かんできました。「よし、これで巾着を作ろう」と、森の動物柄の生地も選んで手にして、革ひもを選び、レジへ。
　この巾着、素材も、ストーリーも「手芸センタードリーム」で生まれたのです。（『手芸センタードリーム』さん凄すぎる）家に帰って編み始めたら、思い通りの色が出てくれて、いい感じ。簡単な編み込みなので、本体は、あっという間に編み上がり、生地を裁断して、チクチク手縫い。巾着に合わせてドッキング。革ひもを通して、出来上がり。自分で言うのもなんですが、お気に入りの作品に仕上がりました。
　夜明け前の、少し希望の色味を帯びたベースに、茜色の段染めのクロスの編み込み模様。優しく懐かしい色味。裏地は、朝を待つ動物たちのそれぞれの心模様が、なんとも優しくて、持っていたら、なんだかすごく幸せな気持ちになる巾着です。身につけていたら、なんかいいことあるかも。ちょっとそこまでのお供にどうぞ。いつもの当工房の巾着より大きめです。ぷっくり感を出したかったのと、いつもは４号針を使いますが、今回は６号針で、120目で立ち上げました。プレゼントにしても喜ばれそう。幸せを呼び込む巾着です。自分で言うのもなんですが、自信作です。
お手頃価格の材料で製作したので、このお値段でのご提供です。

中にエアクッションを詰めて撮影しています。

《使用糸》　　ドリーム　オリオン（アクリル85％、ウール10％、アルパカ５％）
《裏地》　　　綿100％　国産
《ひも》　　　革ひも（絞った時の長さ　約24cm）